誰にも言えない日頃のお悩み~尿もれの予防と解決法
女性の尿道は男性の約4分の1と短く、膀胱からの距離が近いことや妊娠・出産、更年期などで骨盤底筋はゆるみやすくなります。体の構造上、尿トラブルに悩まされやすいといわれています。
男性の尿漏れの原因の多くは、「前立腺」と深く関わっています。
□中高年女性に多い尿トラブルのタイプ
重い荷物、ジャンプ、くしゃみ、咳、笑った時など腹圧がかかった時に起こります。
女性の尿漏れで一番多いタイプです。
2.切迫性尿失禁
寒いと感じた時や冷たい水をさわった時、水を見たり音が聞こえた時,急に強い尿意が起こりトイレにたどり着く前にもれてしまう尿漏れです。 多くは膀胱に問題があるために生じます。 男女とも加齢に伴って発生頻度が増加します。
3.混合性尿失禁
腹圧性と切迫性の両方の症状があります。
□尿漏れの原因
子宮、膀胱、直腸などの骨盤内臓器を支える骨盤底筋が、加齢、ホルモン変動などで弱まることが原因とされます。また、他の病気からくるものや、メンタルな要素によって、脳と膀胱との情報伝達が乱れることが原因となります。
□日常生活でできる対策
・体重管理
肥満は膀胱と骨盤底筋に悪影響を与えます。運動と食事で体重管理が必要です。
・便秘の改善
便秘になると、膀胱が圧迫されて尿を我慢できなくなります。便秘を改善するためには健康的な食生活が大切です。
・排尿時に腹圧をかけない
排尿は反射なので勝手に出るのを待ちましょう。出し切ろうとお腹にぐっと力を入れる人がいますが、出産や便秘の時にいきむのと同じで尿漏れの原因になります。
・軽い症状の方は骨盤底筋を鍛えることで改善することが期待されます。
2~3か月間の継続した取り組みで有効率も60~80%であることが報告されています。
□尿もれに対する漢方
尿漏れに対する漢方治療には主に(他の病気に由来するものや精神的なものは除いて)腎虚証と気陥証の二つのタイプがあります。
腎虚証:
加齢や長患いなどにより生命の根源といえる「腎精」が不足した状態を指し、高齢者に多く見られる頻尿を伴う尿漏れはこれに相当します。
漢方薬では八味地黄丸などの補腎薬を使用します。
気陥証:
気虚による挙上無力の症候で、生活の不摂生や過労などが原因となり気虚となり、更に挙上無力となると骨盤底筋が緩み尿漏れを起こします。
これの治療には薬用人参などを配合した補気薬を使用します。