眠りのお話
睡眠は人の心と体の健康にとって、とても大切です。近年では、生活リズムの変化やストレスの増加などによって「ぐっすり眠れない」「睡眠時間が短い」などで悩んでいると言われています。日常生活に支障が出てしまう方も年々増加しています。
不眠の症状には以下の4種類があります。
①入眠障害…なかなか寝付けない
②中途覚醒…夜中に何度も目が覚める
③早朝覚醒…朝早く目が覚めてしまう
④熟眠障害…ぐっすり眠った気がしない
■眠りの仕組み
睡眠は労働により疲労した脳や体を修復、回復する為に必要です。また睡眠には脳を創り、記憶を整理して定着させ情報処理能力を回復させるという役割もあります。
日中高かった身体の内部の体温(脳の温度)は21時頃から入眠に向けて徐々に低下し、午前4~5時頃に最低となりその後朝起きて身体をスムーズに動き出せるよう体温が上がっていきます。
眠くなると手足が温かくなるのは副交感神経が優位になり、手足の末梢血管を拡張して放熱し身体の内部の体温を下げる為です。
眠ることが出来るのは、高ぶっている脳の「覚醒中枢」を抑え込むことが出来るからです。この高ぶっている「覚醒中枢」を抑え込む物質を「睡眠物質」といいます。
昼間は「睡眠物質」が少ない為「覚醒中枢」は活発であり、人は目覚めています。夜になると「睡眠物質」が増加し「覚醒中枢」を抑え込むため人は眠ることが出来るのです。
一方眠れない方の脳内では、夜になっても「睡眠物質」が十分に作られない為、「覚醒中枢」を抑えることが出来ず眠りにつくことが出来ません。
■快眠する為に必要な栄養素
より良い眠りのためには。眠りを導くアデノシン・GABAなどの「睡眠物質」が、脳内に満たされることが必要です。「睡眠物質」は、ブドウ糖・アミノ酸を原料とし、亜鉛・セレン・銅・ビタミンB₁₂などのミネラル・ビタミンの働きによって作られます。
しかし、食が細くなっているお年寄りの方や偏った食事をしている方などは、「睡眠物質」を作るために必要なミネラルやアミノ酸などの摂取が不足しがちです。
ぐっすりとした眠り、スッキリとした目覚めにはミネラル・ビタミンをしっかり摂取することが必要不可欠です。
また、ミトコンドリアを活性化することも、より良い睡眠へと繋がります。
ミトコンドリアは体の細胞内にあり、私たちが生きていくために必要なエネルギーを作り出す工場の役割を果たしています。このミトコンドリアをサポートし活性化させるアミノ酸ALA(アラ)があります。ALA(アラ)は年齢と共に減少してしまい、その結果ミトコンドリアの働きも低下してしまいます。疲れが取れにくくなり、睡眠不足へと繋がります。
ALAは赤ワイン、タコ、バナナ、納豆、ピーマン、ほうれん草などの食べ物に多く含まれます。