目の構造としくみ
人は視覚による情報が8割を占めるともいわれ、目は生活していくうえでとても頼りになる器官です。目への負担が続いたり、加齢によってその働きが維持できなくなると、さまざまな症状が出てきます。レンズが曇っていてははっきりとモノを見ることが出来ませんし、過度な光を受けたり筋肉が緊張した状況が続いたりすれば、痛みや疲れを感じることもあります。
薬剤、レーザー、手術などによる治療も研究が進み症状が改善される例が増えつつありますが、日頃から適度に目を休めるなど目にいい生活を心掛けておくことも大切です。
■白内障
白内障とは、目の中でカメラのレンズの働きをしている水晶体が白く濁ってしまう病気です。水晶体が濁り始めると、まぶしく見えたりかすんだりするなどの症状が出現します。加齢によるものが一番多く、早い人では40代から、80代では大部分の人で白内障が発見されます。
また、紫外線やパソコン・テレビ・スマートフォンなどのブルーライトは眼に大きな負担をかけるため、白内障の原因となります。症状が軽い場合はビタミンAの入った医薬品やルテインなどのサプリメントで対応できる場合もあります。進行すると視力が低下し、眼鏡でも矯正できなくなります。日常生活に不自由を感じるようであれば手術を行います。一度取り入れた人工のレンズはよほどのことがない限り取り替えることが出来ないので、術後のケアもしっかり行う必要があります。白内障にかかった方がなりやすいと言われている黄斑変性症の原因にも、紫外線やブルーライト等が挙げられています。
良質なアミノ酸や抗酸化作用のあるビタミン、ミネラルを摂取するなど老化防止を心掛けることが白内障の予防に効果があると言われています。また、スポーツ時や登山・海水浴など強い日差しの中で過ごす時はサングラスを着用することをおススメします。
■眼精疲労
眼精疲労とは、目の使い過ぎによる筋肉の緊張や血行不良、ストレスによる自律神経の乱れが蓄積することで、目が疲れる・かすむ・重たい・痛い・充血などの症状が出ることをいいます。
それがだんだんひどくなり、頭痛・めまい・吐き気・首筋のはり・肩こりなどの症状が現れてくることもあります。
対策例)
・眼鏡やコンタクトレンズが合っているかをチェックする
・目を使う環境や生活を改善する(明るさ、休憩、空調、喫煙など)
・睡眠不足やストレスを解消する
・目の周りを温め、血行を良くする
・保湿成分配合の点眼薬を使用する
■目に良いビタミン類
・カボチャ、ニンジン、ホウレン草
ブロッコリー、肉類など →【ビタミンA】 ものを見えやすくする
・豚肉、大豆、玄米、カキなど →【ビタミンB₁】 疲れを和らげる
・牛レバー、アサリ、カキなど →【ビタミンB₁₂】 視神経の働きをよくする
・小松菜、イチゴ、ミカンなど →【ビタミンC】 白内障を予防する
・カボチャ、サツマイモ、ウナギなど →【ビタミンE】 血行を改善する
・ケール、ホウレン草など →【ルテイン】 白内障を白内障を予防する
・ホウレン草、マンゴー、卵黄など →【ゼアキサンチン】 白内障を予防する
・ブルーベリー、黒豆など →【アントシアニン】 ものを見えやすくする
■上手な目薬の使い方
1.目薬を差す前には必ずきれいに手を洗い、目薬の容器の先端は手で触ったり瞼に触れないように注意しましょう。
2.1回の目薬の量は1滴で十分です。上手く目に入らない時に顔を傾けたり、ぎゅっと目を閉じたりしてこぼれた目薬を入れようとしてはいけません。もう一度差し直し、余分な目薬は拭き取りましょう。
3.目薬を差した後は、ぱちぱちと瞬きをせず1、2分は静かに目を閉じていましょう。さらに目頭を軽く押さえておくといいでしょう。2種類以上の目薬を差すときは、5分以上間をあけましょう。
4.一度開封したら保存の指示に従って、1か月を目安に使い切りましょう。
※ほかの人の目薬は使わないようにしましょう。