夏の筋肉痛の予防と管理 ~高温多湿や過度の水分摂取がもたらす影響
夏は楽しみな季節ですが、一部の人々にとっては体調不良の原因ともなります。特に筋肉痛、寝違え、腰痛などの問題が増える傾向にあり、これらの問題は高温多湿、過度な水分摂取、そしてエアコンによる体の冷えが関与していることが多いです。
□夏の筋肉痛の予防と管理
過度な湿度は体が熱を効率的に放出するのを妨げ、体温調節に影響を与えます。これにより筋肉が緊張し筋肉痛や腰痛を引き起こす可能性があります。また、適切な水分補給は重要ですが過度な水分補給は体内のミネラルバランスを乱し筋肉の機能に影響を与える可能性があります。
夏の暑さに対して体は汗をかいて冷却しようとしますが、湿度が高すぎると汗が蒸発せず体温調整が難しくなります。これにより筋肉が緊張し、寝違えや腰痛を引き起こす可能性があります。また、さらに、エアコンによる体の冷やしすぎは筋肉の収縮を引き起こし、筋肉痛や腰痛を引き起こす場合があります。
これらの問題を理解するためには西洋医学の視点だけでなく、漢方の視点からも考える事が出来ます。漢方の「暑湿」とは暑さと湿気が組み合わさった状態を指し、これが体に侵入すると様々な症状を引き起こします。特に、筋肉の痛みや関節痛は暑湿邪が原因となることがあります。暑湿邪が体に侵入すると、体内の気の流れを侵害し、筋肉や関節の機能を低下させるためです。この他にも、エアコンなどによる冷えと湿気が合わさった「寒湿」や冷たいものの摂り過ぎによる「内湿」なども夏の筋肉痛の原因となります。
□夏の筋肉痛と予防
・長時間のエアコン使用による体の冷え
筋肉が冷えると血流が悪くなり、筋肉の修復が遅れるため筋肉痛が長引くことがあります。冷え過ぎによる筋肉痛の予防として、エアコンの温度は25~28℃度に設定し、こまめに水分補給を行うようにしましょう。また、筋肉の血流を良くする為、ストレッチやマッサージをしてください。
・冷たい飲み物の過剰摂取
冷たい飲み物の過剰摂取は、筋肉の血流を悪化させ、筋肉痛を悪化させる可能性があります。この様な筋肉痛を予防するには、冷たい飲み物やアイスの摂り過ぎに注意して水分補給はこまめに行うようにしましょう。
・水分とミネラルの補給
夏の暑さには水分だけでなくミネラルも補給することが重要です。単なる水だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液、ミネラルウォーターがおすすめです。スポーツドリンクは糖分が多いため、カロリーを気にする方は、スポーツドリンクをミネラルウォーターで割ると良いでしょう。
□寝違えてしまった時の対処方
温湿布: 首や肩に温湿布を貼り、筋肉の緊張をほぐして血流を促進させます。
軽いストレッチ: 首や肩の筋肉を軽く伸ばすストレッチを行い、こりや痛みを緩和させます。
□漢方による対処法
夏にみられる筋肉痛は漢方では「暑湿」「寒湿」「内湿」と弁証されるものが多く、この様な湿を伴う痛みには一般的な消炎鎮痛剤の効果は限定的です。
これらのいずれの場合にも背景に「脾失健運」と言われる胃腸の働きの低下による体の水気の滞溜が見られます。このため、弱った胃腸の働きを改善させてあげることがこの筋肉痛を改善させる為に重要です。
・筋肉痛を軽減する漢方薬
筋肉の痛みを和らげる漢方薬には、体の中で滞った湿気を解消する「祛湿剤」が効果的で、夏場に見られる筋肉痛に推奨されます。
夏特有の筋肉痛を解消したい方、漢方で体調を整えたいかはぜひこの情報を参考にしてみて下さい。