アミノ酸と健康
人の体は主に三大栄養素と呼ばれるタンパク質、炭水化物(糖質)、脂質といった栄養素で機能しています。このなかのタンパク質は、内臓や血液、筋肉、骨、皮膚などの主成分であり、身体の組織そのものをつくり上げている栄養素といえます。
私たちの身体の約60%が水分でできているというのはよく聞きますが、実は残りの40%のうち約半分はタンパク質でできています。
そのタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。
必須アミノ酸
20数種類あるアミノ酸には必須アミノ酸と非必須アミノ酸があり、非必須アミノ酸は体内でつくられますが、必須アミノ酸は体内でつくることができない為、毎日の食事から摂取する必要があります。アミノ酸をきちんと摂取することで、しっかりとした身体がつくられます。
アミノ酸が不足すると…
近年、食生活の乱れから病気になっている方が増えています。特に高齢者の栄養不足というのが非常に増えています。しっかり食事をとらないと低栄養となり、体重が減少して体力、気力がなくなってしまいます。タンパク質は人間が元気に活動していくうえで、特に大切なものです。
アミノ酸はタンパク質の材料になるほか、それぞれ独自の働きがあります。不足すると、病気に対する免疫力の低下、慢性的な風邪の症状、体力不足、うつ症状など全身にトラブルが起こることもあるのです。
アミノ酸の上手な摂り方
アミノ酸によって構成されるタンパク質は肉類、魚類、卵、豆類に多く含まれています。これらの食材はそれぞれ違う種類のアミノ酸を持っているので、色々な食材を組み合わせることが大切です。
例えば、お米にはメチオニンというアミノ酸がたくさん含まれていますが、リジンというアミノ酸はそこまで多く含まれていません。大豆はその逆で、リジンは豊富ですがメチオニンは少ないのです。ごはんと納豆、ご飯とみそ汁は昔から日本の食文化の基本ですが、健康的にもバランスの取れた組み合わせなのです。
また、アミノ酸と一緒に取ると効果的な栄養素としてビタミンがあります。果物等に多く含まれるビタミンCとアミノ酸を一緒に摂るとコラーゲンの生成を促進し、免疫力を高めてくれます。
かぼちゃやアーモンド等に多く含まれるビタミンEと一緒に摂取すると血行促進効果が期待できます。アミノ酸単体で摂取するよりもこれらの栄養素と一緒にバランス良く身体に取り入れるように心がけましょう。