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2023.09.26

健康のおはなし

尿トラブル

「夜中に何度も目が覚める」「トイレに行ってもスッキリしない」「咳やくしゃみをした時にヒヤッとする」等々、尿に関する悩みは男女問わず非常にたくさんの人が抱えていると言われています。加齢と共に尿トラブルを経験する人は増えていきますが、尿漏れや頻尿の悩みは相談しにくいとためらってしまう方も多いと思います。ですが尿トラブルを放置していると行動が制限され仕事や生活に支障が出てしまいます。

 

■女性に多い尿トラブル

女性の尿道は男性よりも短く直線になっているため少しお腹に力が入っただけで尿漏れしてしまう場合があります。笑ったり、咳やくしゃみをしたり、重い物を持ち上げるなどお腹に力を入れると起こる尿漏れを腹圧性尿失禁と言い、女性の尿漏れで最も多いタイプです。特に出産経験のある女性は、膀胱や子宮を支えている骨盤底筋が緩むので尿漏れや頻尿が続きやすくなります。次に多いタイプは急に我慢できない尿意を感じ、トイレに行く前に尿漏れを起こしてしまう切迫性尿失禁です。加齢に伴うホルモンバランスの乱れや血流障害による膀胱の機能低下が原因とされています。

 

■男性に多い尿トラブル

男性の場合は、前立腺肥大症や過活動膀胱が原因となって尿漏れが起こります。

前立腺肥大症は50歳以上の5人に1人はあると言われ、前立腺が大きくなることによって尿道や膀胱が圧迫されて急にトイレに行きたくなったり頻尿になったりします。また、膀胱の機能が低下するため力を入れないと尿が出難くなることがあります。

 

■夜間頻尿(2回以上行く)の場合

①多尿・夜間多尿

多尿の原因は水分の過剰摂取が主な原因とされています。脱水対策として水分摂取に励むあまり頻尿になってしまったり、薬の副作用で口が乾き水をたくさん飲んでしまう場合もあります。夜間に尿量が多くなってしまう原因は水分の過剰摂取の他に、加齢に伴って日中多く尿を作って夜は作らないように調節するホルモンの分泌が減少してしまい、夜間の尿量が増えるという事があげられます。

②過活動膀胱・前立腺肥大症

年齢とともに膀胱とその周囲の骨盤の筋肉成分が減少し、尿をためておく機能が低下してしまうと過活動膀胱になり易くなります。男性の前立腺肥大症は出難くなった尿を出すために筋肉が厚くなり、膀胱の壁が肥厚してしまい膀胱の容量が減ってしまうと言われています。どちらも膀胱にためられる尿の量が少なくなってしまい夜間頻尿の原因となります。

③睡眠障害

不眠と夜間頻尿の関連も問題になっています。高齢者は睡眠が浅く分断されるため覚醒しやすく、目が覚めるごとに気になってお手洗いに行く方が多いようです。一方で夜間頻尿の頻度が増加して不眠になるともいわれ、悪循環をきたしてしまいます。

 

■日常生活での対策

香辛料やワサビ、グレープフルーツ、漬物のような酸味の強いものや炭酸飲料は膀胱を刺激しやすい為、摂りすぎには注意が必要です。また、頻繁にトイレに行かなくても済むように水分を控えてしまいがちですが、控えすぎると膀胱炎や脱水症状を引き起こす可能性が有ります。カフェインやアルコールなど利尿作用のある飲み物を摂りすぎないよう注意してバランス良く水分を摂取しましょう。深呼吸や軽い運動などをして緊張を和らげ、日頃からストレスを溜めないようにすることで不眠解消にも繋がります。

医療機関を受診する事に抵抗を感じる方はサプリメントの使用や体操を行い対策してみてはいかがでしょうか。

■骨盤底筋の収縮を高めることは、腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁に有効です。骨盤底筋群体操で訓練してみましょう。