お酒と肝臓について
今回はお酒と切っても切り離せない『肝臓』についてのお話をしたいと思います。
■アルコールは肝臓でどのように処理されているか
お酒を飲むとアルコールは肝臓へ運ばれ、アルコールの分解酵素の働きで、二日酔いの原因と言われるアセトアルデヒドという有害物質に分解され、最終的に二酸化炭素と水に変化し、無毒化されます。
■肝臓が疲れるとどのような症状が出るか
肝機能が低下すると、カラダに栄養素が行き渡らず毒素や老廃物が蓄積して体臭や老化の原因となります。また、「気力が出ない」「お酒がまずい」「食欲不振」「イライラ」などが起こりやすくなり、肝硬変や脂肪肝になる恐れもあります。
■酵素を活性化させるには?
肝臓は、合成・貯蔵・解毒・排泄など多くの働きがあり、この働きは肝臓内にある酵素によって行われています。アルコールも酵素によって分解されています。
これら酵素の働きを活性化しているのが『ビタミン』や『ミネラル』です。ビタミンやミネラルが不足すると肝臓の機能も低下してしまいます。
お酒の飲みすぎや過労・精神的なストレスを受けると肝細胞内で活性酸素が過剰に発生します。肝細胞が過剰な活性酸素によって傷つけられ死滅すると、傷つけられた肝臓は線維化して肝硬変になってしまう事もあります。この過剰に発生した活性酸素を消去する酵素を助けるのが亜鉛やセレンといったミネラル成分です。
亜鉛やセレンにはアルコールを分解する酵素の働きを高めるほか、活性酸素を処理する酵素を動
かすために必要不可欠な働きをしています。
ビタミンやミネラルを多く含む食材には、牡蠣や昆布、レバー、鶏肉などがあります。
食事から摂る事が難しい時は、サプリメントなども使って補いましょう。
■お酒と薬の関係
「お酒で薬を飲んではダメ」と言われていますがなぜダメなのでしょうか。
それは『薬が効きすぎてしまうことがある』からです。アルコールは多くの薬の働きに影響を及ぼします。影響は薬によっても異なりますが、薬の作用や副作用を増強してしまう危険性があります。アルコールや多くの薬は肝臓で処理されますが、その際代謝酵素が必要となります。しかし、アルコールと薬を一緒に飲んだ場合、代謝酵素を双方で奪い合ってしまいます。薬を肝臓で処理する為に必要な代謝酵素がアルコールの分解に多くを使われると、処理しきれなかった薬の成分が体に残ってしまい、その結果『薬が効きすぎてしまう』ということが起こります。
薬を飲む際は、アルコールではなく水で飲むよう心がけましょう。