からだの疲れについて
昔よくスポーツの後など「乳酸がたまって疲れた」というのを言ったり聞いたりしませんでしたか?
『乳酸=疲労の原因物質』という認識が広まっていましたが、近年の研究により疲労の原因物質ではないことが分かりました。疲労の原因は【活性酸素】だったのです。
【活性酸素】とは?
呼吸により取り込まれた酸素は、体内にあるミトコンドリアによってエネルギーへと変換します。ミトコンドリアはATPという燃えやすい高エネルギー物質を作る際に、活性酸素も生成します。
体の中にある適量の活性酸素は、体内に侵入した細菌などを殺すなどの有用な働きをします。
通常、活性酸素は体に備わっている抗酸化力が働いて消去されますが、ストレスや激しい運動などで過剰に活性酸素が発生すると十分に処理しきれなくなってきます。処理しきれなかった活性酸素によって細胞が錆びついていき、その結果細胞の機能が低下し疲労感や身体的パフォーマンスの低下など疲労の症状として現れます。
こころの疲れについて
『火事場の馬鹿力』という言葉を聞いたことはありませんか?
人はストレスを受けるとコルチゾールというホルモンを分泌します。コルチゾールは一時的に細胞の働きを高め代謝を上げる働きがあるため、危険な時など一時的に力が出て逃げたり出来ます。これが『火事場の馬鹿力』の仕組みです。
しかし、ストレスを受け続けコルチゾールの過剰分泌が続くと、細胞は無理やり働かされついに動きが低下します。その結果、やる気がない、イライラする、眠れないといったうつ状態、精神疲労が引き起こされます。
過剰分泌されたコルチゾールを減少させるには、脳内(主に海馬)にある活性酸素を減少させればコルチゾールは減少します。
過剰な活性酸素を消すには?
1つ目は活性酸素を消す『酵素』の働きを高めること。
2つ目は活性酸素を消す作用を持つ栄養素(抗酸化物質)を体に取り入れることです。
抗酸化物質とは、果物や野菜に含まれるビタミンCやビタミンE、βカロテンなど活性酸素を消す物質を抗酸化物質といいます。
また、抗酸化物質の1種に「抗酸化酵素」があり、もともと人間には活性酸素などの害を防御する機能が体に備わっており、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどがあります。酵素が働くには、ミネラルの亜鉛・銅・セレンが必要不可欠です。
●抗酸化物質(ビタミンCやビタミンE、βカロテンなど)を含む食べ物
牡蠣、トマト、牛肉(リブロース)、バナナ、人参などの緑黄色野菜など
●酵素の働きを高める食べ物(亜鉛、銅、セレンを含む食べ物)
牡蠣、梅干し、鰹節、牛乳など
疲れを和らげる方法
疲れているときは、心もどんよりして体も凝り固まっています。心も体も適度な休息が必要になりますので、空いた時間などに下記の方法でリフレッシュしてみて下さい。
●ストレッチ
疲れた時こそ凝り固まった体をほぐすストレッチをしましょう。夜寝る前に出来るストレッチ方法をご紹介します。
1. 仰向けで横になります。
2. バンザイをして手と足を遠くに伸ばすようなイメージで伸ばしていきます。肩と太ももには力が
入らないよう力を抜くことが大切です。
3. 10秒ほど連続して伸ばしこれを3~5セット行いましょう。